新たなヒーロー

水曜の夜、またも終盤の失点を喫したウィリー・カバジェロには同情せざるを得なかっただろう。だが結局最後はそのカバジェロの活躍でFA杯勝ち抜けを決めるに至ったのだった。

 

ジャマル・ルイスのヘディングがゴールへと吸い込まれる瞬間、カバジェロはまたか、と感じたはずだ。ネットが揺れ、ノリッチとの試合は延長戦へと持ち込まれることとなった。

 

カバジェロにとってこれが6度目。マンチェスター・シティ時代に2度、チェルシーでは4度。クリーンシートに届かなかった試合の数だ。特にチェルシーで喫した4失点については、いずれも90分以降のもの。さらにカバジェロに非はないゴールばかりだ。

 

カラバオ杯3回戦のノッティンガムフォレスト、4回戦のエヴァートンといずれも追加タイムに失点。だがこの時は一矢報いられる程度で、試合結果自体に影響はなかった。

準々決勝のボーンマス戦ではダン・ゴスリングの同点弾を止めるには及ばなかった。しかしその直後、チェルシーは決勝ゴールを手にしている。

 

この失点はいずれもホームゲーム、そしてアウェイサポーターを背にして喫したものだ。それだけに1-1で迎えた今回のPK戦は、チェルシーサポーターを背にして挑んだだけに感覚も違かったのだろうか。

 

2016年2月、シティの一員としてスタンフォードブリッジへ乗り込んだカバジェロは、オスカーのPKを止めるも5-1で敗れていた。しかしその翌週にはリーグ杯決勝で、リヴァプールのPKを3本止める大活躍を披露している。

 

チャンピオンズリーグではネイマールやファルカオを防ぎきり、昨シーズンのプレミアリーグではリャド・マフレズも止めている。4月にはエデン・アザールをも防いだが、この時はこぼれ球を押し込まれている。

 

つまりカバジェロは、PKストッパーとして十分なキャリアを積んでいる。そして今回も、ネルソン・オリヴェイラのPKも止めてみせたのだ。

そこからノリッチには3本立て続けに決められたが、ウィリアン、ダヴィド・ルイス、セサル・アスピリクエタ、エンゴロ・カンテ、エデン・アザールもミスせず。20シーズン連続となるFA杯4回戦進出を決めている。

 

まだ今シーズン何も手にしていないのは事実だし、この大会を制するにはあと5回、勝たなくてはならない。

 

しかし終盤の同点弾からの延長戦の末に見たウィリー・カバジェロの活躍は、チェルシーサポーターにとって一筋の希望にも感じたことだろう。