復活のエデン

エデン・アザールが再び輝きを取り戻したのはおよそ1年前、ボーンマス戦でのことだった。

 

怪我による離脱、不調も続き、12ヶ月前には年間最優秀選手賞を総なめしたあの姿は影も形もなかったアザール。

 

リーグ戦では30試合ゴールなし、臀部の怪我でPSG戦を離脱すると、チームもチャンピオンズリーグ敗退。アザールはそこからさらに5試合、ピッチから離れることとなった。

 

その間、チームはFA杯からも敗退し、事実上翌シーズンの欧州大会出場権を失っていた。アザールが再び戦列復帰したヴァイタリティ・スタジアムの一戦の頃には、ブルーズはもはや少しでも惨めな形でシーズンを終えないようというささやかなプライドを守るくらいしか目標が残されていなかったのである。

 

しかし、このプレッシャーのない環境がアザールを変えた。開始34分、低い弾道のシュートでボルツを破りついにゴールを記録すると、ロスタイムにもネットを揺らし4-1の勝利へとチームを導いたのだ。

 

この試合をきっかけに、シーズン終盤に向けて調子を上げていったアザール。翌月にはトッテナム相手にクラブの年間ベストゴールにも選ばれたファインゴールでレスターシティのリーグ優勝を手助けすると、リヴァプール相手には個人技からネットを揺らし1-1の引き分けへと持ち込んだ。

 

この勢いで新監督のもと新シーズンに突入したアザールは、ここまで9ヶ月、その輝きを曇らせてはいない。今では2年前のアザールのようだと、誰もが認めるところだろう。

 

それは水曜日のマンチェスター・シティ戦でもそうだ。2ゴールを記録しただけでなく、個人突破からイングランド代表のジョン・ストーンズを度々混乱に陥れていた。

 

この試合でアザールはシーズン13ゴール目を記録し、2013/14、2014/15シーズンの個人ベストにあと1ゴールと迫っている。

 

これまでもアザールは、シーズン終盤に差し掛かってはその活躍でチームを勝利へと導き続けてきた。優勝した一昨シーズンも、ウェストハム、マンチェスター・ユナイテッド、クリスタルパレス相手にはアザールのゴールで1-0の勝利、ストークシティ戦ではロイク・レミー、QPR戦ではセスク・ファブレガスの決勝点をそれぞれアシストしている。

 

リーグ戦残り8試合、勝ち点差7で首位と今シーズンはチーム全体が好調であるため、そこまでアザールの活躍が求められることが多くないかもしれない。

 

しかし、それでも3シーズンで2度目となるリーグ優勝に向けて、アザールが好調であれば好調であるほど、その期待も大きくなるというものだ。

 

そんなブルーズは今週末、ボーンマスとの一戦を迎える。昨シーズンの顔合わせの当時に比べるとチームは大きく変わったが、またここからもうひと追い上げするためにも、アザールには12ヶ月前と同様のパフォーマンスを期待したいところだ。