UEFAヨーロッパリーグ:2012/13

3度目となる欧州ファイナルの舞台で、チェルシーは後半終了間際にブラニスラフ・イバノビッチの素晴らしいヘディングシュートで、ヨーロッパリーグを劇的に制した。チェルシーは59分にフェルナンド・トーレスのゴールで先制していたものの、ベンフィカにPKを与え同点とされていた。

試合はベンフィカの圧倒的なポゼッションの前に押し込まれる展開を強いられた。ただ、そんな中でもフランク・ランパードのミドルシュートで2度ゴールに迫るシーンを生み出してもいた。

そして59分にカウンターからトーレスが、今季のヨーロッパリーグ6ゴール目を挙げてチェルシーが先制した。しかし67分、オスカル・カルドーソにPKを決められてスコアをタイに戻された。

それでも後半追加タイム2分にフアン・マタのCKからイバノビッチがヘディングシュートを決めて、昨季のチャンピオンズリーグに続き、チェルシーに歓喜の瞬間が訪れた。

足首の負傷が癒えなかったジョン・テリーが欠場したセンターバックの位置には、イヴァノビッチとギャリー・ケイヒルが入った。また、テリー同様にアストン・ビラ戦で負傷したエデン・アザールも欠場となり、2列目の右にはラミレスが起用された。そしてセンターハーフにはダヴィド・ルイスとフランク・ランパードが入った。

対するベンフィカは出場停止の右サイドバック、マキシ・ペレイラに代わってアンドレ・アルメイダが起用された。

立ち上がりから正確なポゼッションを見せたベンフィカにチェルシーは主導権を握られていく。2分にはカルドーソにヘディングシュートを合わせられ、ベンフィカに1stシュートを許した。その後も自陣に押し込まれたチェルシーは11分にカルドーソ、サルビオに立て続けにシュートに持ち込まれていく。さらに12分にもショートパスで振り回され、最後はボックス内のガイタンにシュートに持ち込まれたが、枠の上に外れた。

一方のチェルシーはボールホルダーへプレスに行ききれず、ずるずると下がるのみで劣勢を強いられる。そんな中、チェルシーはロングカウンターを狙い、ラミレスやトーレスがディフェンスライン裏のスペースへランニングすることで打開を狙うが、劣勢を挽回するには至らない。27分にようやくペナルティエリア手前左のオスカルがミドルシュートで、チェルシーの1stシュートを放ったが、GKアルトゥールの守備範囲に飛んでしまう。

前半半ばを過ぎても運動量で圧倒的に上回るベンフィカにチェルシーは主導権を握られた。ハーフコートで試合を進められ、33分にはガイタンにシュートへ持ち込まれる。劣勢をひたすら耐えていたチェルシーは38分、ランパードがブレ球の強烈なミドルシュートでゴールに迫ったが、アルトゥールに阻まれてゴールレスで試合を折り返した。

ゴールレスで迎えた後半も、ベンフィカに押し込まれる展開は変わらない。50分にはカルドーソのポストプレーから、ボックス中央へ走り込まれたモレーノにシュートに持ち込まれそうになったが、アスピリクエタが戻ってシュートを打たせない。さらに直後のCKからクロスボールをカルドーソにヘッドでゴールへ流し込まれるも、カルドーソのポジションが僅かにオフサイドでノーゴールとなる。

一方的に押し込まれ、成す術のなかったチェルシーだったが、59分に先制する。チェフのロングスローをセンターサークルのマタが後方に流すと、このボールを受けたトーレスがガライ、ルイゾンを立て続けに力強いドリブルでかわして、ボックス右に進入。最後はアルトゥールまでもかわしてシュートを流し込んだ。このゴールが入ったことで息を吹き返したチェルシーの出足が格段に良くなり、試合の流れを引き寄せていった。

先制を許したベンフィカのジョルジュ・ジョズス監督は66分、2枚代えを敢行する。メルガレホとモレーノを下げて、オラ・ジョンを左サイドに、リマを2トップの一角に投入。ガイタンを左サイドバックに下げる「4-1-3-2」の超攻撃的な布陣へ変更する。すると67分、カルドーソの浮き球パスがボックス内のアスピリクエタがハンドをしてしまい、PKを献上。これをキッカーのカルドーソに枠の左へ豪快に決められて同点に持ち込まれた。

その後は一進一退の攻防が繰り広げられる。ベンフィカはカルドーソを起点に分厚い攻めを見せ、チェルシーも守備に難のあるガイタンのサイドを対面のラミレスが突くことで揺さぶりをかける。すると75分にチェルシーはボックス内で鋭い反転を見せたトーレスがルイゾンに倒されるも、ノーファウルの判定が下される。この直後、ベンフィカはガライがピッチに足を取られて、ジャルデウとの交代を強いられた。

チェルシーは82分、中央からカルドーソに左足アウトにかけたミドルシュートでゴールに迫られたが、チェフがビッグセーブで阻む。するとチェルシーは43分、中央やや左からランパードが放った強烈なミドルシュートが、ベンフィカゴールを襲うも、バーに直撃してしまう。

互いに決定機をモノにできず、このまま延長戦に突入するかと思われたが、追加タイム2分、ラミレスが得たCKからチェルシーに劇的な決勝点が生まれる。マタの右CKをファーのイヴァノビッチがヘッドで合わせると、柔らかく弧を描いたシュートが枠の右上に吸い込まれた。直後の追加タイム4分にロングボールからカルドーソにシュートに持ち込まれたチェルシーだったが、ケイヒルが身体を張ってブロック。2-1で競り勝ったチェルシーがヨーロッパリーグ初優勝を飾っている。