FA杯:2007

1999-2000シーズンのFAカップ決勝でアストン・ビラを破り、改修前のウェンブリーでトロフィーを掲げた最後のチームという栄誉を獲得したチェルシーは、2006-07シーズンのFAカップ決勝でマンチェスター・ユナイテッドに1-0で勝利。今度は新ウェンブリーで最初にトロフィーを掲げたチームとなった。

この決勝戦のキックオフ前、新スタジアムでの最初のFAカップ開催を祝うために、レッド・アローズによる祝賀飛行など、華々しいセレモニーが行われた。また、ウェンブリー改修前最後のFAカップ王者となったロン・ハリスやデニス・ワイズ、マルセル・デサイーといった当時の優勝メンバーは、多くの観客に見守られながらパレードに参加した。

最終スコアを除いて、ゲームそのものは失望的なものだった。イングランドを代表する2チームの対戦だけに、スペクタクルな展開が期待されたものの、両チームは相手の長所を消すことに終始した。

多くの負傷者の影響もあり、ジョゼ・モウリーニョはジョン・テリーの相棒に本職が中盤のマイケル・エッシェンを起用。だが、エッシェンはこのコンバートにも、混乱をきたすことはなかった。また、パウロ・フェレイラも同胞のクリスチアーノ・ロナウドの脅威を抑え込む、重要な仕事を果たした。

ジョー・コールに代わって後半開始から投入されたアリエン・ロッベンは、チェルシーの攻撃に創造性を与え攻撃を活性化させることを期待された。ウェイン・ルーニーとディディエ・ドログバがそれぞれ決定機を迎えたものの、いずれも決めきることができず、結局ゴールレスで90分間を終えた。勝敗が決したのは延長後半に突入した116分。フランク・ランパードとのパス交換からドログバが、エドウィン・ファン・デル・サールの守るゴールネットを破り、チェルシーにこのシーズン2つ目のトロフィーをもたらした。

ラウンド毎に行われた抽選会は、チェルシーに優位に働いた。3回戦のマクルズフィールド戦を6-1で大勝したチェルシーは、続く4回戦のノッティンガム・フォレスト戦をアンドリー・シェフチェンコとドログバ、ジョン・オビ・ミケルのゴールで3-0の快勝を飾った。

5回戦でノリッジに5-0で勝利したチェルシーは、準々決勝でマルティン・ヨル率いるトッテナムと対戦。開始早々にディミタール・ベルバトフに先制点を許したチェルシーは、ランパードのゴールですぐさまスコアをタイに戻すも、その後オウンゴールとホッサム・ガリに3点目を奪われ、2点ビハインドで試合を折り返した。

さらに、後半途中にはテリーが負傷交代するアクシデントに見舞われ、チェルシーサポーターにとっては最悪の試合展開となった。だが、72分にランパードがこの試合2点目を奪い望みを繋げると、試合終了5分を切った土壇場でサロモン・カルーが値千金のボレーシュートを決めて、ホワイト・ハート・レーンでの再試合に持ち込んだ。

敵意に満ちた雰囲気の中で行われた再試合は、チェルシーにとって非常に難しい一戦となりそうだった。だが、後半直後にシェフチェンコが挙げた衝撃的なゴールが敵地に駆けつけたチェルシーサポーターを沸かせる。さらに後半半ばにはショーン・ライト=フィリップスが角度のないところから素晴らしいシュートを決めて点差を広げると、試合の趨勢は決したように思われた。その後、試合終盤にロビー・キーンのPKで1点を返されたものの、モウリーニョ率いるチェルシーは劇的な勝利を手にすることに成功した。

ブラックバーンとの準決勝は、オールド・トラフォードで行われた。16分にランパードが先制点を決めて、チームは決勝進出に大きく近づいた。だが66分、ジェイソン・ロバーツに同点ゴールを許すと、試合の行方は急にわからなくなった。それでも、チェルシーは延長後半にショーン・ライト=フィリップスのクロスをミハエル・バラックがゴールネットに突き刺して、見事に決勝への切符を手にした。